震災直後は「各局の判断だった」
テレビで放映される映像が問われたケースでは、2001年9月11日の米国同時多発テロがある。テレビでは事件の発生直後から、旅客機が世界貿易センタービルに突入する様子や、建物が崩れ落ちる衝撃的瞬間をとらえた映像が何度となく繰り返し放映された。
このとき米国では、遺族や関係者、また子どもにショックやトラウマを与える可能性が懸念され、徐々に自粛を要請する声があがり、しばらくするとニュースでショッキングな映像が流れることが少なくなった。
東日本大震災の報道でも、しばらくすると被災者や関係者らが心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす恐れがあるとの指摘から、巨大津波に人がさらわれるシーンや遺体が運ばれている映像などはほとんどのテレビが採用しなかった。
「知りたい」「知りたくない」、両方あるのだろうが、そのときは「各局の判断だった」(民放キー局)という。