お笑いタレントのたむらけんじさん(38)がテレビで震災がれき受け入れへの支持を表明したところ、ツイッターに批判が相次ぎ炎上した。経営する焼肉店まで中傷される事態になっている。
震災がれき受け入れを巡っては、放射性物質への心配などから、全国各地で激しい反対の声も出ている。受け入れを検討している大阪では、橋下徹大阪市長がこうしたことに「情けない」と失望感を露わにするまでになった。
経営する焼肉店にまで疑問の目
大阪・毎日放送で2012年2月27日放送の情報番組「ちちんぷいぷい」でも、この問題が取り上げられ、出演者のたむらけんじさんは、日本人同士で痛みを分かち合うべきだとして、大阪のがれき受け入れを支持したいと明かした。
ところが、このことがツイッターでやり玉に挙がり、受け入れに反対する人たちから異論が相次いだ。その矛先は、たむらさんが経営する焼肉店が仕入れる肉の安全性にも向けられ、「国民の安全よりも助け合いの絆を重視するんでしょ?そんな店で怖くて食事できませんわ」などと中傷された。
たむらさんは同じ日、この発言を受けて、「ご心配なら他のお店でご飲食なさってください」と反論した。そして、あるユーザーが、情報公開しない店は潰れているとして、どんな肉を使っているか説明するように求めると、たむらさんは、こう嫌悪感を露わにした。
「僕あなたみたいな方嫌いなんです、人としての生き方が僕とは全く違うんで。僕は僕のやり方でやっていきますんで僕に関わらないでください」
こうした発言が反発を呼んだのか、08年7月にたむらさんの名古屋の店舗で食中毒が起きたことまで揶揄された。さらに、「たむらけんじの店!超危険!!!」などとつぶやかれ、それが次々にリツイートされると、怒りは頂点に達した様子でこうぶちまけた。
「調べたんですか?うちが危ないって?完全な営業妨害ですよね?覚悟しての発言ですよね?」
たむらさんは、店では安全な食品しか提供していないと強調し、実現しなかったもののユーザーと直接話したいとまで訴えた。
中傷に反応することを戒める声も
もっとも、過剰な中傷に疑問を呈し、たむらけんじさんの発言を支持する声も多数出ている。
「瓦礫受け入れ反対をほざいてる連中は、その代替処理策を持ち合わせているのだろうか」「たむけん!よく言った!俺は断固支持するぞ!」といったツイートが相次ぎ、激励の声にたむらさんも感謝の意を示している。
一方で、「たむけんさん、いちいち反応しないほうがいいですよ」とスルーできないことを戒める向きも多く、たむらさんは、「わかってます、でも腹立つねん」などと答えていた。ツイッターでは2012年3月1日現在もたむらさんへの批判がくすぶっており、がれき受け入れ支持への謝罪を求められて、たむらさんが「なんで謝罪なんですか?」と反発する場面もあった。
こうしたやり取りで、経営する焼肉店の営業に何か支障は出ているのか。
本店の店長は、取材に対し、やり取りについては、「何ともお答えできません」としたものの、「特に電話などはありませんし、普通に営業しています」と話した。国産の牛肉については、個体識別番号で産地検索ができるようになっており、「安全性に気を配りながら、いい肉を使っています」と説明した。固定した産地はないものの、今のところ福島県産は使っていないという。
たむらさんはツイッター上で政界入りの意欲を示しているが、一連の発言が何か関係あるかについては、店長は「政界入りのことは、直接聞いたことはありません」と話すに留まった。
放射能汚染を巡る芸能人の発言としては、カンニング竹山さん(40)が2月の福島旅行で野菜購入をアピールして批判され、それに反論したことから、ツイッターが炎上したケースがある。