郵便物に切手を貼りすぎると、返金してもらえる制度がある。これを悪用して金を儲けるというセコい行為が目立ってきたため、日本郵便は2012年2月29日、制度を変更した。
インターネットで手口が書き込まれていたといい、早々と対応したようだ。
裏表に切手を貼りまくる
郵便局では、正規の料金を超えた額の郵便切手が貼られた郵便物を差し出すと、過払い分を、現金、切手、はがきのいずれかで返還されるという制度があった。
郵便事業社によると、この制度を利用して昨今、郵便局に大量の切手を貼った郵便物を持ち込んで返金してもらうという、換金目的と見られる事例が増えているのだという。
手口はこうだ。例えば、従来の制度では、郵便料金が120円の郵便物に1万円分の切手が貼られていた場合、差額分の9880円が返還される。金券ショップで1万分の切手を9000円で購入して貼り付けた場合、880円が「もうけ」となるわけだ。
総務省によると、現金による返還請求は、2011年10月には26件あり、1件当たりの平均額は約11万7000円にもなった。1度に24通もの郵便物を持ってきたり、大きな封筒の裏表に80円切手が156枚びっしりと貼られていたりした例があった。「入手しやすいのか、80円切手が使われるケースが多い」(総務省情報流通行政局郵政行政部郵便課)という。
職員の平均対応時間88分、業務に支障も
郵便事業社広報は「違法ではないので、悪用と言っていいのか分からないが、本来の趣旨とは違う使われ方がしている」と話す。そもそも、返還制度は郵便物を送る際、「いくらになるか分からないから、とりあえずたくさん切手を貼っておこう」という人などのためにある。
「切手は通信の対価として使われるもので、換金目的に使うものではありません」
大量の郵便物を窓口に持ってこられると、職員も大変だ。「切手を1枚ずつ数えないといけませんし、こういうのが多発すると業務に支障が出ます」。1件当たりの対応所用時間が、窓口で平均39分、その後の証拠書類送付、整理などにかかる時間を足すと合計平均88分にもなるという。換金目的でやられたら本当に迷惑だ。
こうした事態を受け、2月29日、制度が変更された。以後は返金の上限を1000円として、それ以上は切手やはがきで返還する。インターネットに手口が書き込まれていたため、早めに対策を行った、ということだ。
「これ友達がやってたw郵便局員が呆れ果てるらしい」
金券ショップで安く入手した切手を封筒にベタベタ貼って郵便局に持って行くという、かなりみみっちい行為だが、2ちゃんねるやツイッターでも話題になり多くの書き込みが寄せられた。「これ友達がやってたw郵便局員が呆れ果てるらしい」といったものもあったが、
「思いついても普通みっともなくて出来ねえよ」
「切手貼り過ぎて、郵便局員にバカと思われるだろ」
「880円のために買う労力、貼る労力考えたら却って高くついてるんじゃないの?」
といった反応が多いようだった。