「一票格差是正」「議員定数削減」 国会の怠慢で何も決まらない

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是正しないのは「民主党が解散したくないからだ」

   違法状態は、民主党が3点セットにこだわらなければ避けられた可能性がある。読売新聞の社説(2月24日付)は「(0増5減案で一致した民主、自民)両党だけでも実現できるのに手をこまねいているのは怠慢だ」と批判していた。

   「違法状態」入りが確実視された2月23日、与野党幹部は会見で責任をなすりあった。民主党の輿石東幹事長は、「与野党共通の責任」と野党にも責任があるとの考えを示した。一方、自民党の谷垣禎一総裁は、「(衆院80減の)おかしなことをして先に進まなくしたのは与党だ」と批判した。

   こうした状況に自民党の町村信孝・元官房長官は2月23日、「誰が見ても今の日本の政党はダメだとなる。橋下市長にエールを送っているような姿だ」と派閥例会で与野党執行部の対応を批判した。

   野田政権は2月17日、「衆院定数80削減」や消費税増税などを盛り込んだ大綱を閣議決定した。野党は、定数削減への言及について「内閣の越権だ」と大反発しており、野田佳彦首相は23日、衆院予算委で、「80削減明記」について、「遺憾に存じ、深くおわび申し上げる」と陳謝する事態に追い込まれた。今後、定数削減法案が国会に提出されたとして、成立するかどうかは未知数で、提出を危ぶむ声すらある。

   違法状態入りについて、自民党の石原伸晃幹事長は2月26日、「民主党が衆院を解散したくないからだ」と指摘した。適法状態に戻すまで選挙はできまい、というわけだ。一方、藤村修官房長官は、「まったく関係ない」と、違法状態であっても、首相の解散権は行使できる、との考えを示している。

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