企業年金などから運用を任されていた資産の大半を消失したAIJ投資顧問と、投資一任契約を結んでいる取引先が拡大している。厚生労働省が2012年2月28日に発表した年金基金は84基金、運用残高は1852億円(11年3月末時点)だったが、11年12月末時点では企業年金や事業法人、学校法人が94で、残高は2043億円になることがわかった。日本経済新聞が2月29日に報じた。
そのうち、厚生年金基金が81と約9割を占めており、大半が中小企業が集まっている「総合型」といわれる基金。すでに判明しているアドバンテストや安川電機に加えて、SCSK、や富士電機、日本ユニシス、大日本印刷、コスモ石油などの大手企業の企業年金も11あった。
年金基金の元本は大幅な毀損が避けられないとみられ、今後の年金給付などへの影響は必至だ。