朝日調査では、自民支持率6ポイント減
2月前半まで続いていた、自民党議員らによる田中直紀防衛相に対する「素人答弁」攻撃も、「クイズ形式の揚げ足取り」との逆批判を呼び、尻すぼみになった。なかなか「民主党政権打倒」へ向け、はずみはつかないようだ。
朝日新聞が2月14日付で報じた世論調査によると、野田内閣の支持率は27%で、30%を割り込む「危険水域」だ。しかし、自民党への期待度は高まっていない。
「今後の政権の形」については、「民主、自民以外の政党中心」が29%と最大で、「自民党中心」21%、「民主党中心」19%を大きく上回った。
また、民主党支持率は17%、自民党は12%。前回1月調査より、民主が2ポイント落とす中、自民は6ポイントも下げている。
同時期の読売新聞調査では、自民17%、民主16%でほぼ横並びだった。
こうした自民党の低空飛行ぶりが念頭にあったのか、民主党の小沢一郎元代表は、名指しではないものの、「民主党から人心が離れている中、まともな政党ならすぐに政権を取れる制度だ」と、まるで自民党を哀れむかのように朝日新聞のインタビュー(2月24日付朝刊)で答えている。「過半数を取れる政党」がない「大混乱」を心配しており、「民主も自民も勝てない」事態を想定しているようだ。
また、自民党内では「政権を解散に追い込む」声は急速に小さくなりつつある。橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会が国政進出準備を始め、「大躍進」の予測も流れており、怖くて解散・総選挙に臨めないというわけだ。
「維新の会の態勢が整う前の早期解散」を求める声もまだあるが、本気度は疑わしくなってきた。それほど「橋下旋風」に脅威を感じているようだ。
自民党の「巻き返し戦略」の方向性は、「あくまで解散・総選挙」なのか、それとも「谷垣降ろし」に向かうのか。9月には党総裁選がある。