石原慎太郎都知事が、複数の銀行が本社を大阪に移転するという「怪情報」を真に受けて「困ったもんだね」とコメントし、波紋を広げている。
とんでもない事実誤認をもとにフリー記者が質問したことがその原因だが、知事の発言を受け、「ソースは都知事会見」などとして、誤った情報が拡散を続けている。
「ソースは都知事会見」の怪情報飛び交う
怪情報の発信源は、2012年2月24日午後に開かれた石原知事の定例会見。フリー記者が、都の税収が減少を続けていることに関連して、
「昨日の発表で、三菱商事、三井物産、三菱UFJ銀行(編注: 「三菱東京UFJ銀行」の誤りとみられる)、三井住友銀行そのほかパナソニックなどが大阪へ本社を移転すると発表しましたが、それによって税収がおそらくかなり下がると思うんですが、その点に対して、知事の見解をお願いします」
と、切り出したのだ。
一般に、記者会見の壇上にいる人が記者の質問で新事実を知ることは珍しくない。そのためなのか、石原知事も、
「困ったもんだね、そりゃね。本社はたくさん東京にあったほうがいいんだけど、しかしやっぱりね、そういう形で、集中集積が進みすぎるのも好ましくないしね。大阪がね、要するに『大大阪』として復活しようとしてる時にね、そういう優良な企業が本社を大阪に移すのは、まあ、大阪にとっちゃ好ましいことだし、相対的に日本にとっては、そう悪いことではないんじゃないのかな。敵に塩を送るつもりはないけど」
と、何の疑いもなく答弁してしまった。
このことから、ネット上では「ソースは都知事会見」だとする怪情報が飛び交うことになってしまった。