米倉vs枝野「東電国有化」でバトル 財界3首脳の意見分かれる

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   経団連の米倉弘昌会長が13日の会見で、東京電力の実質国有化を狙う枝野幸男経済産業相について「とんでもない勘違いをしている」と批判し、枝野経産相が翌14日の閣議後会見で「税金を預かる立場として、到底わかりましたと言うことはできない」などと反論したことが波紋を広げている。

   財界3団体トップのうち、経済同友会の長谷川閑史代表幹事と日本商工会議所の岡村正会頭は、東電の実質国有化を容認する考えを示しており、東電擁護の発言を繰り返す米倉経団連会長の突出ぶりが浮き彫りになった。

同友会、日商は同調せず

   経済同友会の長谷川代表幹事は14日の会見で、東京電力への公的資金注入について「政府出資は国民の税金を使うことなので、国民が納得する説明責任が求められる。それが担保されるまで、経済産業相が決定権を保持しようとするのは理解できる」と述べ、枝野経産相の対応を支持した。

   長谷川代表幹事は「りそな銀行の例を見ても、国有化して国が経営したわけではない。(東電に資本注入しても)国が経営するわけではない」と発言した。

   米倉会長が前日の会見で「国有化して、ちゃんとした経営になった企業は今まで見たことがない」と、痛烈に政府の対応を皮肉ったのとは対照的だった。

   さらに日商の岡村会頭は16日の会見で、東京電力への公的資金注入について「税金が大量に投入されることを考えると、当然のことながら国が国民を代表して東電を監督する義務が生じる」と述べ、政府が経営権を取得することに理解を示した。

   枝野経産相は、りそな銀行の公的資金注入をモデルに、東電の議決権を3分の2以上取得し、政府の経営への関与を強める方針を示している。議決権を3分の2以上取得すれば、発送電分離など東電の組織再編も政府主導で進めることが可能となるからだ。

   経団連の米倉会長はこの点を最も警戒しており、議決権比率について「拒否権をもつ程度の3分の1以下にとどめる方がよい。普通株とは異なった種類株を作って、注入額を増やしたり、減らしたりしていけばよいのではないか。できるだけ早く、通常の企業に戻ることが一番重要なことだ」と、最後まで政府の関与を批判し、東電を擁護する姿勢を崩さなかった。

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