デパートの「屋上遊園地」は消えるのか レトロな「昭和の記憶」に癒される人も

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不安な時代、「懐かしの遊具」が結構人気に

懐かしさを感じさせる遊具(2012年2月12日撮影)
懐かしさを感じさせる遊具(2012年2月12日撮影)

   屋上遊園には現在、「木馬」「ミニ鉄道」「バッテリーカー」といったおなじみのコイン式遊具のほか、メダルゲーム、クレーンゲームなど全部で102台が設置されている。「昭和36年製造」のシールが貼られた大ベテランもある。

   「昭和」の懐かしい記憶が残るレトロな遊具……。「ディスプレーが付いているわけでもなく、ただ揺れるだけですが、今も子どもたちには結構人気がありますね」。

   震災後は「電力の無駄遣い」などと苦情の電話もあったというが、「子どもを楽しませるために電気を使っているんだ。こんなときだからこそやるべきではないか」と、震災の2日後から一貫して営業を続けてきた。訪れた人からは「開いててよかった」とほっとする声が聞かれ、来園者数も前年を上回る月が続いた。震災後の不安な時期、昔ながらの屋上遊園地という存在に人々が心の癒しを求めたのでは、と齋藤さんは語り、その将来に期待をのぞかせる。

「個人的な考えだけど、『屋上遊園地ならではの良さ』を、殺伐としたときだからこそみんな求めていると思う。ゲームのハイテクさだけが全てじゃない。世の流れには逆行しているようだけど……絶対つぶしませんよ」
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