外資系証券マン「解約料が10億円下らないことは推測できる」
大阪地裁は判決で、「勧誘の際に、為替レートなどによっては解約料が10億円を上回る可能性があると説明していれば、大学側は契約しなかった」と指摘し、野村証券の説明義務違反を認定した。損害額は、解約料と取引による損失の合計だ。
ただ、賠償額の算定では、「以前から為替変動リスクのある金融取引で多額の資産運用をしていた」として、大学側にも8割の過失を認めている。
ある外資系証券会社に勤務する証券マンは、「違約金や契約期間(10年)のことを考えると、(契約後)しばらくして解約したとしても10億円を下らないことは、デリバティブ取引をしようという人は推測できる」と、野村証券をかばう。
金融商品取引法では、投資商品のメリットやデメリット、資産運用者のリスク許容度などを考慮して説明するよう定めている。今回の大産大の一件は、大学側の運用担当者が理解しないまま鵜呑(うの)みにしてしまったことや、チェック機能を果たすはずの理事会も知識不足だったことに、付け込まれたということらしい。