「名古屋への旅行ボイコットせよ」 河村市長発言で中国側が反発

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「怒っているポーズ」を示す反応にとどまっている

   河村市長の発言を受けて、中国からの観光旅行が急きょ中止になったという報告は、2月24日午前の段階では入っていないと観光推進室は説明する。とは言えデリケートな問題だけに、市側としては「これまでどおり、日中の友好関係を軸に交流が続くことを望んでいます」という。観光客の増加による経済効果の期待もあり、「名古屋ボイコット」が広がって観光産業が打撃を受けるのは避けたいところだ。

   中国事情に詳しいノンフィクション作家の安田峰俊氏は、「あくまで現時点までの情勢を見る限りでは」と前置きしたうえで、「日中関係に深刻なダメージを与える事態には発展しないのではないか」と予測する。これまでの中国側の動きを追う限り、河村市長の発言に対して「怒っているポーズ」を示す、様式美的な反応にとどまっているというのだ。

   一部の中国の旅行社が日本ツアーを取りやめる決定を下した点も、「予測できる反応でしょう」と安田氏。ただ、日本に旅行できるほどの経済力をもつ豊かな中国人については、「震災や原発問題のように、自分の生命に危険が及ぶ理由があれば、彼らはすぐに逃げます。ただ、『河村発言』のようなイデオロギー的な理由で、自分たちが楽しめる日本観光をわざわざ中止するとは考えにくいのでは」と話す。

   事態は基本的には徐々に鎮静化していくだろうと見通しを安田氏は持つ。だが、「中国は一党独裁国家。今回の件が現在以上の大問題になるか否かは、結局は中国当局の『ご機嫌次第』というところでしょう」と語る。

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