アジアプレス・石丸氏が「北朝鮮」最新情報 「国境厳戒で脱北者は激減したが、景気さらに悪化」

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国境警備隊は「全然休みがなくて、家にも帰れない」

   さらに、権力体制移行に乗じて脱北する人が増えるのを恐れたため、国境の警備が大幅に強化されているという。平壌在住の協力者は、正日氏の誕生日である2月16日が終わるまで身動きが取れず、中朝国境に出向くことができなかったといい、国境警備隊関係者も、

「全然休みがなくて、家にも帰れない」

と電話で愚痴を言うほどだったという。

   この結果、「脱北者は激減」したが、様々な副作用も起こっている。平壌市内の自由市場では通常、中国から密輸入されてきた物資が多く流通している。警備強化で、この密輸が滞る上、北朝鮮の人が中国に出向いて援助を求めるのも難しくなる。さらに、国境警備隊が越境を見逃して賄賂を受け取ることも難しくなるため、現金収入が激減。その結果、全般的に北朝鮮国内の「お金の回り」が悪くなり、正日氏の死去以後、景気が悪化しているという。

   国境地帯の厳戒態勢は、2月16日で「ちょっと一息ついた感じ」(石丸氏)だが、4月15日の金日成主席の誕生日イベントに向けて再び強化されるとみられ、厳しい経済情勢が続きそうだ。

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