金正日氏死去の特別ニュースは「電気が来ていないから見られなかった」
金正日氏の死去が発表されたのは12月19日正午のことだが、石丸氏のもとには、18時から19時にかけて、協力者から第一報が入ったという。協力者は、正日氏の死去を
「マーケットに行って、みんなが噂話をしているのを通じて知った」
といい、石丸氏が
「『テレビを見ろ』と言われなかったのか?」
と聞いたところ、
「電気が来ていないからテレビが見られなかった」
と、電気事情が相変わらず厳しいことが浮き彫りになったという。北朝鮮では、冬は川が凍って水力発電が使えなくなるため特に電力事情が悪化し、11年冬は平壌ですら1日に3~4時間しか電気が来なかったという。
翌日からは次々と連絡があり、
「動員が続き、非常にしんどい。居住地域、職場、学校でローテーションを作って、毎日弔問に行かされていた」
「動員行事に行くときは、『服装をきちんとしろ』と言われる。『ないときは借りろ』と言われる」
「マーケットが閉じられたので、商売に非常に支障がでた」
と、「悲しい」という声ではなく「しんどい」という声が圧倒的だったという。また、正日氏は経済政策に失敗し、不人気だったことから、その息子に世襲が決まったことに恨み言を言う人もいたという。