現行制度でも「金持ち」は年金がもらえない
ところが、現行の年金制度でも「金持ち」は年金をもらえない仕組みがある。2010年度には296万7000人が受け取る年金の一部あるいは全額の支給を停止されている(共済年金を除く)。
厚労省は、「受け取る賃金と年金額によって計算が変わりますし、公務員から民間企業に転職するケースあるいはその逆の場合、また1年ごとに見直すため一概には言えませんが、基本的には現役世代と変わらないような収入がある人には年金を支給していません」と説明。年金を受け取る資格(厚生年金、共済年金が対象)があっても、60~65歳未満で月額28万円以上、65歳以上で月額46万円以上の収入がある人は、年金の減額や支給停止の対象になる場合があるという。
橋下市長らのいう「掛け捨て年金」との違いを大阪維新の会に聞いてみたが、「施策の詳細については現在検討しているところです。公表できる段階にお話いたします」とのことだった。
現行の所得による減額、支給停止制度では、どんなに資産を持っていても収入が低ければ満額支給されてしまう。このあたりの矛盾を解消しようとしているのかもしれない。