ハイブリッド車に迫る「第3のエコカー」 「ミラ」筆頭に軽自動車も「快走」

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   消費者の環境意識の高まりと「エコカー補助金」の復活で、ハイブリッド車(HV)や軽自動車の販売が勢いづいている。

   なかでも、低価格とガソリン車でありながら燃費のいい「第3のエコカー」が健闘。「低燃費=エコ」の印象を消費者に植え付けることに成功し、それが最近の「軽の快走」にもつながっている。

ダイハツの「ミラ」が前年比3.8倍

快走する「第3のエコカー」、1月の新車販売では第3位の「ミライース」
快走する「第3のエコカー」、1月の新車販売では第3位の「ミライース」

   2012年1月の新車販売台数によると、HVの代表格であるトヨタの「プリウス」は、前年比2.1倍の2万9108台と8か月連続で首位を守った。

   また、トヨタは昨年12月に発売した小型HVの「アクア」が1万3485台を販売し、5位に初登場。発売から1月末までの受注が目標の10倍の12万台に達し、納車まで5か月待ちの状態だ。

   2位にはホンダのコンパクトカー「フィット」(44.2%増の2万1449台)。ホンダは小型ミニバン「フリード」も2.7倍の1万4042台と大きく伸ばし、昨年12月のトップ10圏外から4位に食い込んだ。フリードは11年10月にHVモデルを発売したのが奏功。フィットも販売の過半数をHVモデルが占めていて、HV人気が顕著だ。

   そんなHVを猛追しているのが、「第3のエコカー」と呼ばれる低燃費ガソリン車。マツダの「SKYACTIV TECHNOLOGY」を搭載した「新型デミオ」が昨年6月に発売されたのを皮切りに、ダイハツが新たに開発した「e:Sテクノロジー」(Energy Saving Technology)を搭載した新型軽自動車「ミライース」(同9月発売)が火をつけた。

   ガソリン1リットルで約30キロメートルを走行する、HVと遜色ない燃費性能と、乗りなれたガソリン車で低価格なことが消費者に受け入れられている。また、4月から延長となるエコカー減税ではHVと並んで低燃費ガソリン車も100%減税対象となり、追い風が吹いている。

   1月の新車販売台数では、ダイハツの「ミラ」が前年比3.8倍の1万9795台と大きく伸ばして、第3位。「ミライース効果」といえ、同車は1月までの累計で約7万台を受注した。 軽自動車は、スズキの「アルトエコ」も好調。また、ホンダが昨年12月に発売した「N BOX」が9934台で初登場9位に入るなど、トップ10のうち6台を占めた。

次々に登場する新たな「エコカー」

   2012年の「エコカー」市場は楽しみだ。HVは、トヨタの「アクア」にみられる小型HVの登場で、バリエーションも増えて価格も低下するなど、消費者の選択肢は広がりつつある。

   EVでは日産「リーフ」が、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2011を受賞。テレビCMなどの露出度もアップしている。充電インフラの課題はあるが、「電気」で走るエコ性能を支持する消費者は少なくない。

   価格面で優位な低燃費ガソリン車は、手軽に「エコ」に貢献できるという面が評価され、HVには手が届かない消費者のニーズを吸収してきた。12年夏には三菱自動車が12年ぶりに「ミラージュ」を投入。コンパクトカーも「第3のエコカー」で活性化を図る。

   その「第3のエコカー」でダイハツの「ミライース」とともに先行したマツダは、「クリーンディーゼル」という新たな「エコカー」技術を搭載した「CX‐5」を2月16日に発売。今度はディーゼルの復権を狙う。

   「エコカー」が多様化するなか、メーカー競争はますます激しくなっている。

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