銀座が成功したところで何も変わらない
しかし、2011年8月期決算は、売上高が前期比0.7%増の8203億円と過去最高だったものの、営業利益は12.1%減の1163億円、純利益も11.9%減の543億円と落ち込んだ。原因は、売上げの7割超を占める国内事業が足を引っ張ったからと見られている。2012年8月期第1四半期も、国内ユニクロ事業の営業利益は10.3%の減益だ。1月はヒートテックを中心とした冬物販売が好調だったこともあり、直営店計の売上高は前年比113.3%と盛り返してはいるが、決して安心できる状態とは言えない。「新生・ユニクロ銀座店」は国内業績を上向きにする起爆剤として期待されているのだろうか。
「私たちの商売は、どれだけ計画以上に売っていくかが大事です。全体のニーズを常にリサーチし、商品やサービスの質を高めていかなくてはいけません。たとえ銀座店1店舗が成功しても、全体に影響はないと思います。商売のやり方が変わるわけではないので」
広報によれば、銀座店はあくまで「1番新しいユニクロ」の象徴であり、業績とは別に考えているという。「安物」というイメージがまだぬぐいきれない日本と、都会にしかないクールなブランドとして定着している海外との「温度差」を少しでも埋めるため、新しいユニクロを見せていくのが1番の狙いだそうだ。