グリーが提供しているカードバトル型のソーシャルゲーム「探検ドリランド」で、カードを不正な方法で複製できる方法がネット上で暴露され、騒ぎが広がっている。
カードは他の利用者にも譲渡可能で、入手が難しい「レアカード」については、ネットーオークションで高値が付くことが知られている。そのため、今回明らかになった手法で貴重なカードを大量に複製し、売りさばいた者がいる可能性も指摘されている。
バグの内容が2ちゃんねるで暴露される
「探検ドリランド」は、「ハンターカード」と呼ばれるカードを使い、モンスターと戦いながら洞窟内を探検し、宝物を発見するという内容だ。最近は、テレビCMも展開している。
この「ハンターカード」を不正に増殖させる方法が2012年2月19日未明、2ちゃんねるで暴露され、騒ぎが広がった。PCあるいは携帯電話を2台用意し、グリーのアカウント2つを使用するという、やや手の込んだものだ。
これは、ソフトウェアの不具合(バグ)で偶然に発生していた事象とみられ、一部の利用者の間では、2011年のうちから知られていたようだ。対策されないまま放置された形で、2ちゃんねるへの書き込みで、表面化した。
ゲーム上で獲得したカードは、「トレード」という機能を使って他の利用者に譲渡することができる。規約では金銭と引き替えにカードを譲渡すること(リアル・マネー・トレーディング、RMT)は禁じられているものの、ヤフーオークションではカードが大量に出品されており、RMTが常態化している。
この複製方法が暴露された直後から、ヤフーオークション上には、「探検ドリランド」の非常に珍しいカードが大量に出品され、カード「冬姫メイチェリ」は、5万円近い価格が付いているものもあった。一人で大量に珍しいカードを出品している利用者もおり、これまでの売買履歴からすると、数百万円単位で荒稼ぎしていた可能性もある。仮にこれらの利用者が、不正にカードを複製していたとすれば、不正カードを「打ち出の小槌」として大量の利益を不正に得ていたことになる。
なお、この「冬姫メイチェリ」は、現時点でも40点程度が出品されており、2~3万円程度の値がついているものも多い。
グリー「アカウント停止を含めて厳格な対応を行う可能性」
グリーは、2月19日午前の時点で不正利用に気付いた模様で、トレード機能を一時停止したことを発表。その上で、
「こちらの不具合において不正に獲得されたカードについては、強化、売却等カードの移動が伴う作業を自粛していただければと存じます。もし何らかの行動を行った場合は、他のお客様との公平性を保つための対応を行わせていただく可能性がございます」
と、利用者に自制を求めた。さらに、2月20日午後には、禁止行為が確認された利用者に対しては、
「事前に通知することなく、アカウント停止を含めて厳格な対応を行う可能性がございます」
と、具体的な対応方針を示した。