不正のバレー選手には永久追放処分
「朝鮮日報」は、韓国プロスポーツ界に潜む八百長構造の闇について、2月15日付記事で解説している。ブローカーは、選手に八百長プレーをさせる代わりに金銭を提供する一方、暴力団関係者に八百長情報を売って対価を手にする。ブローカーを雇うのは、違法な賭博サイトと結託する「胴元」で、ブローカーは八百長の指示内容とそのための「軍資金」を得て選手らを巻き込むのだ。八百長が成立すれば、情報を得てかけをした暴力団員には大金が転がり込む。一方、何も知らず賭博サイトを利用した人たちは損する仕組みだ。同紙によると、選手ひとりが1試合に得る金額は300~500万ウォン(約21~35万円)程度。いったん八百長に手を染めた選手は抜け出せず、後にブローカーに落ちていくしかないという。
しかし、不正行為が明るみに出ればその代償は大きい。今回の男子バレーのケースでは、韓国バレーボール連盟が、関与したと見られる現役選手に対して永久追放の処分を下すと決定した。チームも解散の危機にひんしている。
ほかのプロスポーツへの波及も心配だ。「中央日報」は2月16日、検察当局が、八百長疑惑がもたれている韓国プロ野球の選手に対して所属球団が独自調査を実施したと報じた。本人は関与を否定したという。
前出の韓国人スポーツジャーナリストは、「プロ野球は韓国のプロスポーツで最も人気が高い。仮に八百長があったと分かれば、スポーツ界全体にとって大変な打撃になる」と懸念する。注目が集まるプロ野球でひとたび「インチキ」が行われていると見破られれば、「ファンは選手のプレーに疑いの目を向けるようになるかもしれません」。
日本では2011年2月に大相撲の八百長問題が取りざたされ、現役力士と親方25人が引退、解雇処分を受けた。その後、本場所は開かれるようになったものの、観客席に空席が目立つ日があるなど苦戦が続く。韓国でも、人気プロスポーツでの不正が拡大していけば、ファン離れが加速することが容易に予想できる。