「メタボ対策に効果が期待できる」などと報じられ、今、トマトが大人気となっている。トマトジュースやトマトそのものが売り切れる小売店も続出している模様だが、どの程度の効果があるかは分かっていない。
きっかけは2012年2月10日に京都大学が発表した研究結果。トマトに中性脂肪を減らす効果があることは知られていたものの、具体的な成分は不明だった。京都大の河田照雄教授らは、トマトから抽出した物質から有効成分を見つけ、マウスで効果を確認したという。
「スーパー行ったらトマトが売り切れだった」
まだマウス試験での段階だが、これがテレビ・新聞などで相次いで報道された。マウスに与えた量を人間に換算すると、1日にトマト6個分だといい、ワイドショーでは、トマトを食べる機会の多いトマト農家には太っている人が少ないなどと伝えられた。
これまでも「メタボに効く」とされた食べ物はあったが、今回は京都大学の研究が根拠にある、ということで大きな話題となり、トマトやトマトジュースを買い求める人が各地で相次いだ。
ツイッターには、発表のあった2月10日以降、
「さっきスーパー行ったらトマトが売り切れだった」
「トマトジュースはすべて売り切れ、トマト関連の食材丸ごと品薄状態…」
「コンビニでトマトジュースが売り切れ寸前で吹いたwみんな考えることは同じ」
といった呟きが寄せられた。スッカラカンになった商品棚の写真をアップする人もいる。
J-CASTニュースが、14日に都内のスーパー、コンビニ、ドラッグストアを回ったところ、一部店舗で、トマトジュースが売り切れていた。まだ在庫のある店舗も「なぜかトマトジュースが大人気」「テレビで紹介されました」といったポップで宣伝しており、今を商機とみているようだ。
「まだ、必ずしも『痩せる』とは言えない段階」
アマゾンでも同様で、ベストセラーランキングでは、ランク圏外だったデルモンテの食塩無添加トマトジュース(900ml×12本)が11日夜に食品&飲料部門で2位になった。14日17時現在も6位に入っているが、在庫切れ状態だ。
日本デルモンテの親会社、キッコーマン広報によると、具体的な数字はまだ把握できていないものの、トマトジュースの注文が10日以降増えているという。また、日本デルモンテは、今回の京都大学の研究にも連名で参加しているが、
「まだマウスの試験でデータが出たという段階なので、必ずしも『痩せる』とは言えない段階。人間での研究をしてから明らかになります。研究はまだ始まったばかりなので、今後の成果に期待して、これからも協力していきたい」
と話している。