日本経済団体連合会の米倉弘昌会長は、東京電力への公的資金注入の条件として枝野幸男経済産業相が過半数の議決権を求めていることについて、「国有化というのはとんでもない勘違いをしている」と、痛烈に批判した。2012年2月13日の記者会見で語った。
政府による東電の経営権をめぐっては「議決権を持った株式については拒否権を持つ程度、3分の1以下にとどめておくことが、過半数よりもいいのではないか」と指摘。そのうえで、公的資金の注入は「優先株や普通株とは違った種類株をつくって、注入額を増やしたり減らしたりすればいい」とした。
一方、枝野経産相は14日の閣議後の記者会見で、「りそな銀行に国が資本注入したケースが基本的な考え方となる」と述べ、東電にも普通株を軸に出資する意向を示した。
2003年のりそな銀行への資本注入では、議決権のある普通株と議決権のない優先株を組み合わせて行い、議決権の72%を国が握った。
枝野経産相は、「国民の税金を使うが従来どおり(経営を)やりたいようにやるということは、税金を預かる立場として到底わかりましたと言うことはできない」と、クギを刺した。