ニューヨークダウはリーマン・ショック後最高値に近い水準
日経平均株価がマイナス9.0%なのに対し、景気回復基調が鮮明な米国・ニューヨークダウ工業株30種平均はプラス5.4%とリーマン・ショック後の最高値に近い水準に復活。欧州にありながらユーロ圏外で欧州危機の影響が小さい英国(FTSE100)もプラス0.6%と水面上に浮上している。
欧州危機の懸念が薄らいだことで、ユーロ圏諸国でも、ドイツ(DAX)がマイナス6.5%、フランス(CAC40)がマイナス8.2%とマイナス幅は日経平均を下回る。ただし、国の信用度も問われているイタリア(FTSEMIB)はマイナス11.2%と日経平均を大きく下回る水準だ。
アジアでは韓国総合指数がマイナス6.5%、香港ハンセン指数がマイナス7.4%、シンガポール(STI)がマイナス7.2%とおおむね日経平均よりはましだ。
日経平均の回復がもたついている理由はどの市場関係者に聞いても「まず円高」との返答だ。円は対ドル、対ユーロとも歴史的な高水準にあり、輸出関連企業が主力の日本株にとってかつてない重荷となっている。日本政府も市場介入で対ドルの最高値更新は防いでいるが、反転の切り札にはなり得ておらず、当面は日本株にとって上値の重い展開が続くとの見方が強い。