「今後の政権」について、「民主党と自民党以外」が望ましいと世論調査で答える人が「最大多数」という結果が続いている。具体的には、橋下徹大阪市長が代表を務める地域政党「大阪維新の会」に期待が集まっているようだ。
維新の会の政治塾には、「定員400人」の募集に対して3000人超の応募があった。既成政党関係者の中には、「維新の会の本格的国政進出」を「夢物語」と切り捨てる向きもあったが、笑って看過していられる状態ではなくなってきたようだ。
「維新の会が国会で影響力持つ議席を」54%
朝日新聞(電子版)が2012年2月13日に報じた全国世論調査によると、望ましい今後の政権を3択で聞いたところ、「民主党と自民党以外を中心にした政権に」が29%で最多だった。
「民主党中心」は19%、「自民党中心」は21%と、いずれも及ばなかった。「民主党」は10ポイントも差をつけられた。
さらに、次の衆院選で、「維新の会が国会で影響力を持つような議席を取ってほしい」と答えた人は54%と半数を超える勢いだった。2大政党への不信の受け皿になっている形だ。
似た結果はほかにもある。
2月5日放送のフジテレビ系「新報道2001」が伝えた世論調査(首都圏)では、今後の政権について最も期待を集めたのは、「石原都知事や橋下大阪市長などによる新党中心」33.6%だった。
「民主中心」は8.6%で6択中5位、「自民中心」は15.0%で3位といずれも低迷した。「民主、自民の大連立」11.8%(4位)を加味しても、「新党中心」の33.6%には及ばない。
「33.6%」の期待値のうち、どの程度が橋下市長へ寄せられた期待かは不明だが、フジテレビ系列ネットワークのFNNと産経新聞の合同調査(全国、1月中旬実施)をみると、「日本のリーダーとして最もふさわしい人」の首位は21.4%の橋下市長、2位は石原知事(9.6%)とあり、ある程度参考になりそうだ。
「300人擁立」、規模拡大の可能性も?
石原知事をめぐっては、国民新党の亀井静香代表らが石原氏を党首にかつぐ「石原新党」構想を進めており、石原知事も、時に報道陣を煙に巻きつつ、政界再編へ意欲を示す発言をしている。亀井代表らは、維新の会などとの連携を模索している。
維新の会は2月12日、政治塾への応募者が3326人だったと明かした。中央官僚や現職地方議員のほか、現職や元職の国会議員も含まれているという。日本経済新聞(電子版)は、民主党の衆院1期目議員も応募したと報じている。会としては、現職国会議員は「ご遠慮頂く」方針だ。
当初は「定員400人」を想定していたが、応募者数が想定を大幅に上回ったため、2500人規模で開講することも検討している。
維新の会関係者の中からは、次期衆院選で、「300人を擁立、200議席をめざす」との声も上がっていた。維新の会政治塾は、同会国政進出の際の候補者選考と密接につながっており、「カネの問題」は別にして、少なくとも「頭数」としては十二分に確保できそうな様相だ。今後、擁立規模の拡大が検討される可能性もある。なお、衆院の過半数確保には240議席超が必要だ。
維新の会は2月13日夜、次期衆院選向けの公約のたたき台を発表する。首相公選制や参議院廃止などが盛り込まれるとみられている。