社会インフラ事業や企業向けITサービスなどに注力
国内首位のパソコン事業を中国のレノボ・グループが過半数を出資する合弁会社へ切り離したほか、中小型液晶パネル製造子会社の株式の7割を中国大手へ売却。韓国や中国、台湾勢などとの価格競争に敗れ、かつての花形事業を次々に縮小した結果、ピークの2001年3月期に5兆円を超えていた売上高は、2012年3月期は6割弱の3兆1000億円に縮む見通しだ。
NECは今後、環境配慮型都市(スマートシティ)などの社会インフラ事業や企業向けITサービスなどに注力し、価格競争の激しい消費者向け製品から企業向けビジネスに軸足を移す考えだ。しかし、社会インフラなどの分野は既に国内外大手の主戦場と化しており、「出遅れ感は否めない」(アナリスト)。スピード感のない経営を続けたツケは大きく、新たな「飯の種」を早急に確立しなければ、縮小均衡さえ危うい事態になりかねない。