思わぬ「半壊」判定 シロウトにはわからない被害【福島・いわき発】

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   昨秋、屋根の瓦が1枚割れ、コンクリートの基礎に亀裂が入っている話を書いたら、匿名さんから「被災申請を出して判定を受けてください」というありがたいコメントをいただいた。


   それにしたがって「り災証明」の申請をしたら、いわき市から人が調査に来た。母屋は「一部損壊」、離れは「半壊」の判定だった。その後、わが家に遊びに来た建築のプロたちに話すと、「再申請をしたら」という。不服申し立てである。先日、東京から応援に来ている公務員氏と判定員の建築士2人の計3人が再調査にやって来た。


水平・垂直を測る道具を使い、家の内外をこまかく見たあと、目の前でマニュアル化されたチェック項目に点数を書きこんだ。「半壊」の判定だった。匿名さんからいただいたコメント通りになった。匿名さんのアドバイスがなかったら、そのままにしておいたことだろう。あらためて感謝申し上げる。


   判定した建築士さんの話では、基礎のコンクリートが割れて家の北西側が少し沈んだ。それで2階北側の床が2センチ近く下がったために、壁と梁との間にすきまができた(=写真)。道路に面した北側1階の床にボールを置くと、コロコロ転がっていく。推測していたとおりの結果になった。


   台所の外壁、戸のすきまなど、専門家に指摘されるまで知らなかった亀裂、ひずみもある。「土台は50万円くらいで直るんですかね」の問いに、建築士さんは首を横に振った。いやはやである。


   「半壊」の証明書が出るのはざっと3週間後。応援の公務員氏は支援・減免など利用できる制度の説明をする一方で、「一部損壊」の証明書を持ち帰った。ここはありがたく制度を利用させていただくことにする。夜、疑似孫の父親に電話で点数を告げたら「大規模半壊に近い半壊ですよ、それは」ということだった。思っていた以上に家は傷んでいた。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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