トヨタ「86」、スバル「BRZ」正式発表 価格は199万円から、予約好調

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   トヨタ自動車と富士重工業(スバル)が共同開発した小型FRスポーツカーが相次ぎ正式発表となった。トヨタは「86(ハチロク)」、スバルは「BRZ」のネーミングで、スバルは3月28日、トヨタは4月6日に発売する。注目の価格は、トヨタ86の最廉価モデルが199万円(消費税込み、スバルBRZは205万8000円)と、市場の期待に答える形で200万円を割り込む価格を実現させた。

   先行予約は既に始まっており、関係者によると、トヨタは月販目標台数1000台に対して3000台余りを受注。スバルは月販目標台数を明らかにしていないが、目標とする先行予約1000台の達成は間違いないようで、予想通りの好調な出だしとなった。

「スポーツカーはカルチャーです」

トヨタ「86(ハチロク)」
トヨタ「86(ハチロク)」

   トヨタ86、スバルBRZは姉妹車で、スバルが世界に誇る水平対向エンジンをフロントミッドシップに積む後輪駆動のスポーツカーだ。2リットルで200馬力と、リッター100馬力を達成。最大トルクは20.9Kgm。車輌重量は最軽量モデルでともに1190キロと軽く、水平対向エンジンならではの重心の低さを活かしている。

   両社とも、このクルマにかける意気込みはすごい。

   トヨタの豊田章男社長は2日の発表会見で「この十数年、トヨタはスポーツカーを次々になくし、若者のクルマ離れにつながったと反省している。ハチロクはメーカーとして、若い人たちに近づいていく決意表明だ」と強調した。

   富士重工の吉永泰之社長は3日、「BRZは当社のみでは実現しえない、トヨタとのアライアンスがあって初めてできたクルマで、新たなスタート、大きな節目となる。販売も楽しみにしている」と力を込めた。

   さらにトヨタは6日付の日本経済新聞朝刊に見開き2ページのカラー広告を掲載。「スポーツカーは、カルチャーです」のコピーとともに、「このクルマをもつことで、あなたの自由時間の使い方はおそらく劇的に変わる。顔つきも、もしかしたらファッションも変わる。付き合う仲間たちも変わる」と、読者に挑戦的なメッセージを送った。

   トヨタは86を全国のトヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店で発売するが、これらのディーラーの中から新たに専門ショップ「AREA86」を全国283カ所に設置。専門スタッフが86のチューニングやカスタマイズの相談に乗るほか、2013年度を目標とするワンメイクレースや走行会などの情報を提供するという。トヨタは「スポーツカー好きが集う大人のたまり場」を目指すとしている。

「自分だけの1台」を楽しめる

スバル「BRZ」
スバル「BRZ」

   トヨタが主張する「スポーツカーカルチャー」とは、このAREA86をサロンかクラブのような拠点に育て、86オーナーをオーナー同士や専門スタッフと結びつけ、「スポーツカーで走ることを楽しんでもらうとともに、クルマに関心のある全ての人が語り合う文化」を指しているようだ。専門ショップを開設してオーナーとディーラーを結びつける戦略は、これまで日産がGT-Rで手がけた前例があるが、量産スポーツカーを核に全国展開する大規模な試みは、86が初めてと言ってよい。

   86はディーラー装着のドレスアップパーツやチューニングパーツを豊富に用意しており、オーナーが好みのパーツを装着し、「自分だけの1台を楽しみながら育てる」ことを目指している。

   199万円の最廉価モデルのRCはモータースポーツのベース車輌で、ホイールやタイヤをはじめ、自ら好きなパーツを選択して完成させる「通好み」のグレードとなっている。量販グレードのG(6速マニュアル)は241万円、最高価格のGT Limited(6速オートマチック=6Super ECT)は305万円だ。

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