ファーストリテイリング傘下のユニクロがユニークな採用方法を打ち出しているが、柳井正会長兼社長の発言が一部で波紋を広げている。
その言葉は、「人間のピークは25(歳)」というもの。同社は実力主義としても知られているだけに「25を過ぎると切り捨てられるのでは」と、うがった見方をする声がネットを中心にあるようなのだ。
若いうちの目標設定を求めるのが発言趣旨?
ユニクロは2013年春入社をターゲットにした採用活動から、新卒、既卒といった区分をなくして通年で採用する仕組みを導入する。学年や国籍も不問で、学部の1年生であっても内々定が出る可能性がある。
さらに、選考の過程では店舗でのインターンシップまたはアルバイトを経験することが求められる。店舗での働きで高評価を得ることができれば、「ユニクロパスポート」が発行される。このパスポートを持っていれば、いつでも最終面接を受けることができる。有効期間は3年間だ。
この方針を表明してから初めての説明会が12年2月3日に開かれ、765人が参加。そのうち1、2年生も約30人が出席した。この中で、壇上に立った柳井氏が
「人間のピークっていうのは、25(歳)なんですね。25。もうすぐですよ」
とあいさつした。この場面が12月8日夕方の民放のニュース番組で放送され、ネット上では
「25までに正社員になれなければ一生失業者の時代か」 「ホント、企業が社員を育てるって事をしなくなったよな」
といった悲観的な見方が続出した。
だが、実は柳井氏は、この「ピーク発言」の直後に
「だから若いうちに、できたらピーク前に、『自分としてはこっちの方向に行きたいな』『こういう風になりたいな』という風に思わないと、決してうまく行かないと思う」
と続けている。つまり、若いうちに目標を設定するように求める趣旨の発言のようだ。前出のニュース番組では「25歳」の部分だけ取り出されたため、うがった悲観的な見方が広がってしまったようだ。