朝のラッシュに下り線に乗って都心と逆方向の駅に戻り、空いている上り電車に乗り換える「不正乗車」が横行しているという。
「不正」とは思わず、座席確保のためと気軽にやっている人が多くいるようだが、どのくらい問題になっているのだろうか。
1つの車両だけで7、8人が「無賃乗車」
読売新聞の電子版「YOMIURI ONLINE」が2012年2月9日、横浜駅と元町・中華街駅を結ぶ「みなとみらい線」での不正乗車について報じている。
記事によると、朝の通勤時間帯に横浜駅から都心方面に向かう東急東横線は混雑する。このため横浜駅で東横線に乗り入れているみなとみらい線の下り線に乗り、都心とは逆方向のみなとみらい駅や馬車道駅まで戻り、空いている上り電車に乗り換える人が多いという。通常、横浜駅からみなとみらい駅や馬車道駅を往復する場合360円を支払わなければならず、立派な「無賃乗車」になっているのだ。
運営する横浜高速鉄道は「不正乗車は割増の運賃をいただきます」「乗車券をお持ちでない折返乗車は不正乗車となる場合があります」と記したポスターを掲示して予防に努めているが、根絶はできていないという。
不正乗車に頭を悩ませているのはみなとみらい線だけではない。大宮駅からJR埼京線を使って東京・千代田区に通勤する会社員男性によると、大宮駅始発の各駅停車の電車でよく不正乗車を見かけるという。
「朝のピーク時には、下り電車が大宮駅に停車した時に乗客が全員降りたか確認しているが、朝8時過ぎになると確認作業をしなくなる。それ以降になると、2、3駅先から大宮駅に戻って、座ったまま都心へ行く人が増える。いつも1番後ろの車両に乗っているが、そこだけでも7、8人は見かける」