監督としての「実力」には疑問符。1つでも順位上げられるか?
一方で、専門家は「指揮官としての能力はどうか」と厳しい目を向けているのも事実である。関係者の多くは「?」。むしろ「監督になって、大丈夫か」との見方が少なくない。
巨人OBからは「キヨシが監督と聞いて、ひっくり返りそうになったよ」と驚きの感想ばかり。アテネオリンピックでは病に倒れた長嶋茂雄監督の代行として采配を振るった実績はあるのだが、銅メダルを取っても指揮能力を評価した野球人は少なかった。
DeNAの戦力はだれがみても「最下位の有力候補」である。しかし、負ければ監督の責任を追及される。おそらく開幕すれば、采配をとやかく指摘されるだろう。キャンプとの落差を見ることになると思う。
期待するのは順位を1つでも上げることである。それで褒められる。そういう力のチームなのだ。それと重要なのは話題を呼ぶ戦いを作ること。その第一は巨人戦で勝つ、あるいは脅かすこと。それだけでメディアは飛びつく。
かなり前、弱小の国鉄スワローズが「巨人キラー」として話題を集めた。そのときのエースが前出の金田投手だった。
中畑監督の言動は沈滞気味のプロ野球にあってありがたい存在である。キャンプでの話題性を評価して「コミッショナー特別賞」をあげてもいい。
(敬称略:スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)