沖縄は公共事業で建築業が好調
沖縄県は、サービス業が不調だったものの、住宅賃貸業や公共事業で建設業が好調で、前出のように、かろうじて「横ばい」で推移した。一方の高知県は、沖縄県と同様に住宅賃貸業や建設業が伸びたものの、鉱業、製造業、農業、卸売業、水運業などが大きく落ち込んだ。県内総生産(名目)の割合を見ると、第1次産業が4.0%、第2次産業が14.1%、第3次産業が85.5%。第3次産業が産業の大半を占めている形だが、冷夏の影響で電気、ガス、水道業が落ち込んだことも響いた。
ただし、今後、高知が最下位から脱出できる可能性もある。その理由のひとつが、10年1月から11月まで放送されたNHKの大河ドラマ「龍馬伝」効果。11年2月1日に日本銀行高知支店が発表したところによると、10年中の県内の観光客や宿泊数は「龍馬ブームが続く中、高速無料化の効果等も加わり、年間を通して近年にない高い伸びを持続」しているといい、飲食店や交通機関に535億円の経済効果を与えるとみている。これは、08年度の県民総生産(2兆2000億円)の2.4%にあたる。