東証またシステム障害が発生 「最も初歩的なミス」で大ダメージ

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   東京証券取引所で2012年2月2日にシステム障害が発生し、全上場銘柄の約1割にあたる241銘柄の売買を午前中に停止するトラブルが起きた。過去のトラブルも踏まえ、満を持して2010年1月に導入した「アローヘッド」と呼ばれる新システムで、初の売買停止を伴うトラブル。純国産の最新鋭機の意外なもろさを露呈し、売り物のはずの「信頼」に傷を付ける結果となった。

「投資家、市場参加者に大変なご迷惑をおかけしたことをお詫びします」

予備システムにに切り替わらなかったのが原因

   2日夕、東証内で会見した鈴木義伯専務兼CIO(最高情報責任者)は冒頭、深々と頭を下げて陳謝 した。

   障害は、アローヘッド内で、株価情報を「クイック」「ブルームバーグ」などの金融情報業者や証券会社などに配信するシステムで起きた。8つある情報配信システムのうちの1つで障害が起きたもので、通常ならバックアップのために備わっている2つの予備システムが作動しなかったことが原因だ。

   なぜ予備システムに自動的に切り替わらなかったのかの原因はまだ分かっていない。障害発生当日は手動で強制的に予備システムに切り替えて情報配信を復旧させた。

   「アローヘッド」内で、投資家から売買注文を受け付けて成立させる「心臓」とも言える部分にトラブルが起きたわけではない。したがって取引を行うことは物理的には可能だったが、「株価情報がない中では、投資家が投資判断できない」との理由から、売買停止した。

   情報配信できなくなったのは、障害が起きたシステムが扱う銘柄のみ。このため売買停止は全体の約1割で、個別株222銘柄のほか、上場投資信託(ETF)が12銘柄、社債(CB)5銘柄、不動産投資信託(REIT)2銘柄。個別株のうち、153銘柄が東京電力やソニー、日立製作所、第一生命保 険など東証1部上場銘柄だった。また、東証のシステムを使っている札幌証券取引所も2日午前中、全74銘柄の売買を停止した。

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