ネット上で散見される「炎上」は、何か法律違反を自慢した場合に周辺から批判が殺到した結果起こることが多い。ところが、それ以外でも炎上してしまうケースがあるようだ。
ある大学のウェブサイトでは、「学内のリアルな恋愛白書」というコンセプトをかかげ、学内カップルのインタビューを掲載していたが、ネット上では「別れた後は『黒歴史』になってしまう」と、否定的な声が続出。その結果、閉鎖に追い込まれてしまったようなのだ。
サイトは11年8月に開設されていた
サイトは、教員養成で知られる国立大学のサイト内に2011年8月に開設。コンテンツとして「学内のリアルな恋愛白書?、女子会、恋愛相談、ギャラリー」をかかげていた。その中で、特にネット上で波紋を呼んだのが、学内カップルへのインタビューコーナーだ。
6組のインタビューが掲載され、いずれもツーショットの写真付きだ。実名を出している人もいれば、ニックネームのみを掲載している人もいる。
中でも波紋を広げているのが、5番目に掲載された、1年生同士のカップルのインタビュー。女子学生の自己紹介欄には
「今まで付き合った人数→12人」
と、自由奔放な経歴がつづられている上、インタビューも
「1年生にして同棲するふたり。リア充生活どうですか?」
という問いから始まっている。さらに、女子学生は
「いつもは2、3ヶ月くらいたつと生理的に嫌になって私からフっちゃうんですけど、彼にはそんな感情がわいてこないんですよね?」
と、のろけてみせた。
「後数年たったら見事な黒歴史になりそうなコンテンツ」
このインタビューが掲載されたのは11年10月25日だが、それから3か月以上が経過した12年2月6日になって、ツイッターや2ちゃんねるで、急にネット上に内容が拡散。その反響の多くが、
「狂ってる」
「すごい」
といった、否定的なもの。なかには、
「後数年たったら見事な黒歴史になりそうなコンテンツ」
と、大学時代のカップルが「ゴールイン」することは多くないことから、過去の交際の状況がウェブに残り続けることを心配する声もある。
サイトは、学内の雑誌を発行している学生団体が運営しており、「このサイトは学生の自主活動です」とも明記されている。ただし、サイトが「ac.jp」が付いた大学のドメインに開設されていることから、大学側の管理責任を問う声もあがっていた。
これらの批判的な声が影響したのか、2月7日午後には、サイトは削除されてしまった。
もっとも、この大学に限らず、「卒業アルバム」や「イヤーブック」にツーショットで収まったり、卒業論文や修士論文の「謝辞」に交際相手の名前を入れた後に破局して「黒歴史」になってしまうケースは、しばしば起こる。ただし、今回のケースは実名と写真入りで、ネット上に堂々と公開されていたことから、騒ぎが広がったようだ。