インフルに効く?明治のヨーグルトが消えた 納豆やバナナ騒動の再来だとネットで非難の声

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   食品の株式会社「明治」のヨーグルト「明治ヨーグルトR-1」シリーズが売れすぎて店頭から消えてしまった。猛威を振るっているインフルエンザの予防になる、という理由からだ。

   明治はインフルエンザに効くとは一切言っていない、と説明する。購入したのは「テレビでやっていたから」と答える人が多く、かつてダイエットになるとテレビ放送し店頭から無くなった納豆やバナナの狂乱と同じであり、日本の消費者は何も学んでいない、と批判する意見がネットに大量に出ている。

「テレビで紹介していたからすぐに購入しました」

   明治は2012年1月30日に「重要なお知らせ」として「R-1」シリーズが品薄になっているお詫びと、「R-1」を増産するために「明治プロビオヨーグルトLG21」シリーズの販売一時中止を発表した。「R-1」は約2年前に発売開始しているが、俄然注目されたのが11年夏で、「R-1乳酸菌」を摂取すれば体の免疫率が上がり、インフルエンザにかかりにくくなるという研究結果が発表されたためだ。

   これはインフルエンザの発症率が高い佐賀県の小中学生にR-1乳酸菌を使ったヨーグルトを摂取させ続けたところ、摂取させていない周辺地域と比べ発症率が低く抑えられる結果となった、というもの。

   R-1は、新しい乳酸菌で、実は明治のホームページでも、「1073R-1乳酸菌」の研究結果が紹介されている。山形県と佐賀県の高齢者に「1073R-1乳酸菌」入りのヨーグルトを8週間、12週間食べさせたところ人間の免疫システムとして活躍するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が増強し、風邪罹患リスクの低減も確認できたと書いている。

   こうした報告もあり、ヨーグルト「R-1」シリーズの売り上げが急増。明治広報によれば11年12月は前年比で2~3倍の売り上げになったという。この時点では売れすぎて店頭から無くなる状態ではなかったが、今年1月に入ってからさらに売り上げが急伸。

「1月に入ってから多くのテレビに話題にしていただいたのが大きい」

と同社広報は打ち明ける。

   「楽天市場」にあるヨーグルトを扱っているショップを見ると、現在はほとんどの店が「R-1」シリーズを「品切れ」と表示している。なぜこの商品を買ったのかレビューを見てみると

「TVでインフルエンザウィルスを退治すると言っていたのを見て、即購入」
「風邪の予防に良いとテレビでみて、すぐに検索し購入しました」
「TVで『免疫能力UP』と見て早速、家族で毎日飲んでいます」

とテレビの影響を挙げる人が目立っている。

「効果があるとは一切言っておりません」と明治

   店頭から消える決定打となったのが12年1月23日に放送されたNHKの情報番組「あさイチ」。内藤裕子アナがカメラに向かい、ぜひ食べてもらいたい食材があるとし

「ヨーグルトには便秘や美肌やメタボへの効果があるだけでなく、インフルエンザの予防効果まであるんです」

と紹介。日本大学上野川修一教授が「R-1乳酸菌」は腸内のナチュラルキラー細胞を活性化しウイルスを撃退する、とのコメントを出した。

   他局の朝のワイドショーでも似たような情報を流しているが、発売している明治にとっては複雑な心境のようだ。

「ヨーグルトがインフルエンザに効果があるなどとは一切言っておりませんし、どれくらいの期間飲めばいいか、などということもわかりません」

という。

   ネットでは「R-1」シリーズが品切れになっている状況に掲示板やブログに批判が殺到している。ヨーグルトは薬ではないし、インフルエンザに効くという根拠が曖昧なのにテレビ番組で特集を組み「食べたほうがいい」などと放送していることに関してだ。また、そうした情報に踊らされ店頭に走る消費者に対し、ダイエットにいいとして奪い合いになった納豆やバナナの騒動に何も学んでいないとし

「まーた、バカ報道に乗せられる人間どもが出たのか こういう報道は自重させろ!」
「ヨーグルトが効くとしたら医者なんか要らないよ」
「世の中騙されやすい人ばかりだなと思う」

などといった感想が出ている。

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