東京中野のショッピングビル「中野ブロードウェイ(NBW)」はオタクの聖地として知られている。マンガ、アニメ、フィギュアといったホビーショップが充実しているが、なんと地下には「開かずの階」があり、そこには何百万匹のスズムシが生息しているという。
これはかなり前から「都市伝説」として語られてきたことだ。それが改めてネット上で話題になっている。
うるさくて夜は寝られないほど?
これまでネットでは、NBWは地下3階までといわれているが、実は地下5階まであるとされてきた。地下3階はポンプ・ボイラーの設備のようなものが入り組んでいる。その熱のせいで従業員が飼っていたスズムシが繁殖し、地下5階は無数のスズムシが生息することになってしまった、というのだ。
ここまでならよくある「都市伝説」だが、事実だったという証拠を作家の渡辺浩弐さんが出している、というのでまた話題になってしまった。
三才ブックスのゲーム雑誌「ゲームラボ」に渡辺さんが連載中の「中野ブロードウェイ改造計画」(11年10月号)に掲載された。
このコラムによると、NBWの地下には「開かずの階」があり、そこでは夜ごと死者が鐘を突いている秘密の寺院がある、と噂されているが、本当かどうか確かめるため地下に行った、と書いている。
渡辺さんはNBWに喫茶店を出店していて、そのリニューアルの打ち合わせで地下に行くことが出来たのだそうだ。地下2階、3階には変電や空調の設備があり、地下3階を歩くと、下の方から鈴のような、鐘のような音が聞こえてきた、というのだ。
NBWのスタッフに話を聞くと、これはスズムシの鳴き声であり、床の下に空間があって大量発生している。うるさくて夜は寝られないほどだと説明された。
聞こえてきたのは鐘の音ではなくスズムシの鳴き声であり、
「都市伝説の正体は、何万匹、いやきっと何百万匹のスズムシだった」
と渡辺さんは書いている。そして、NBWで捕まえたというスズムシの写真を掲載。一般のスズムシの大きさの2倍はあるという。スズムシは雑食だから、ネズミなどの動物の死骸を食べて大量繁殖しているのだろうと推測している。