支援が届かず孤立する「みなし仮設」の実状【宮城発】

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慣れない家に一人で暮らすお年寄りが暖かく冬を過ごせるように

宮城県村田町の佐山清子さん(80歳)。みなし仮設にお一人で暮らしています。右は難民を助ける会東北事務所長の野際紗綾子(2011年12月20日)
宮城県村田町の佐山清子さん(80歳)。みなし仮設にお一人で暮らしています。右は難民を助ける会東北事務所長の野際紗綾子(2011年12月20日)

   12月20日、宮城県村田町の「みなし仮設」に一人で暮らす 佐山清子さん(80歳)にファンヒーターをお届けしました。自宅は震災で瓦が落ちたり床が抜けるなどの被害を受け、修理なしには暮らせない状態ですが、半壊の認定はされなかったので、修理費の援助はほとんど受けられません。しかし解体するには数百万円の費用がかかります。年金暮らしの佐山さんにはそのお金はありません。


   結局佐山さんは昨年4月、町内の雇用促進住宅に移りました。お邪魔してお話を伺うと、足が悪く出歩くのが難しいこと、体の調子がよくないこと、そしてこの家は2年間で出なくてはいけないことなど、様々な不安を口にされました。暖房器具はこたつ一つしかないとのこと。今回のファンヒーターが全ての不安を解消してくれるわけではないのでしょうが、せめて寒さの心配なく、健康に冬を過ごしていただきたいと願わずにいられません。支援の手の届きにくい方々のために、今後も難民を助ける会では活動を続けていきます。

(難民を助ける会 仙台事務所 蛯名 誠)


宮城県松島町の高田さん。海沿いにあったご自宅には津波が押し寄せ、今は更地だといいます。「寒くなってきたのにエアコンの調子が悪く、ファンヒーターは助かります。」(2011年12月22日、左は難民を助ける会仙台事務所の小菅健太郎)
宮城県松島町の高田さん。海沿いにあったご自宅には
津波が押し寄せ、今は更地だといいます。
「寒くなってきたのにエアコンの調子が悪く、ファンヒーターは助かります。」
(2011年12月22日、左は難民を助ける会仙台事務所の小菅健太郎)
宮城県大和町の熊谷さんご夫婦。「以前使っていたヒーターはずいぶん古くて調子が悪かったので、今回の支援は大変ありがたいです。」(2011年12月16日)
宮城県大和町の熊谷さんご夫婦。
「以前使っていたヒーターはずいぶん古くて調子が悪かったので、
今回の支援は大変ありがたいです。」(2011年12月16日)
※この活動は国内外の皆さまのあたたかいご寄付に加え、AmeriCaresおよびInternational Rescue Committeeの助成金により実施しております。

認定NPO法人 難民を助ける会
1979年、インドシナ難民を支援するために、政治・思想・宗教に偏らない市民団体として日本で設立された国際NGOです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、地震発生当日より活動を開始。宮城県仙台市と岩手県盛岡市に事務所を構え、緊急・復興支援を行っています。
活動にあたっては、特に支援から取り残されがちな障害者や高齢者、在宅避難者、離島の住民などを重点的に支援しています。食料や家電などの物資の配布、炊き出し、医師と看護師による巡回診療など、多面的な活動を続けています。
■ホームページ http://www.aarjapan.gr.jp
■ツイッター  http://twitter.com/aarjapan

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