自己ベスト7分更新に「感動した」
しかしゴールが近づくにつれて、表情にも苦しさが漂うようになる。しきりに腕時計を気にしながら、それでもファンの声援にはこたえるサービス精神。40キロ近くになって徐々にペースダウンした。
この時点ですでにトップはゴールテープを切っており、テレビ中継が終了したためインターネット上ではツイッターなどに「猫さん、どうなった」という投稿が寄せられた。
最終的に猫さんは2時間30分25秒でフィニッシュし、カンボジア五輪委員会が代表選考の基準として掲げていた2時間31分をクリアした。自己ベストをも7分上回る。ツイッターには、結果を知った人たちの「おめでとう」「すごい」「感動した」といった言葉が並んだ。ただ一方で、世界を相手に戦う五輪が舞台となれば、タイムとしては厳しいという意見もあった。
ロンドン五輪は7月27日に開幕する予定だ。大会前に猫さんは、「毎年20分ずつタイムを縮めているから、僕の計算では五輪で走ったら世界新記録」と芸人らしく笑いを誘っていたが、五輪に向けた情熱は疑いない。ロンドンではカンボジア代表としてマラソンのスタートラインに立つことができるだろうか。(2月10日17時22分追記)