「キリストは賢明なゲイ」で物議
悪口とは別の「舌禍事件」も起こしていた。2010年2月、米雑誌「パレード」のインタビュー記事でエルトンは、イエス・キリストについてこう答えた。
「キリストは慈しみ深い、人知を超えて賢明なゲイで、人々が抱える問題を理解していたと思う」
エルトン自身が同性愛者だというのは周知の事実で、2005年にはパートナーの男性と事実上の「結婚」を果たしている。「キリストはゲイ」との発言はエルトンの素直な心情からきたものと思われるが、反発は大きかった。米国のキリスト教団体「カトリック連盟」はただちにウェブサイト上で声明を発表し、「キリストを同性愛者と呼ぶのは、性異常者だとレッテルを張ることだ」と非難した。さらにエルトンについて「かつて『私なら宗教はすべて禁止するだろう』と口にした人物に何を期待できるというのか」と続け、以後エルトンをまともに相手しないような意志表示をした。
一方、エルトンは記事が出た後に米国のテレビ番組に出演。自身の発言について、「あくまで私から見たキリスト像であり、皆さんに対して『キリストはゲイだった』と断定して言っているわけではない」と弁解した。