選ばれる理由は結局「イメージ」?
総合商社が人気を集める理由とはいったい何だろうか。就職活動中の女子学生に話を聞いたところ、「海外の商品やお店などを日本に持って来たいという、気持ち、憧れがある」という。また、20代の男子学生は「漠然とでっかい仕事がしたい、日本を動かしたいという気持ちがある。若いうちから海外で働け、成長できる気がする。ただ、正直商社の仕事について細かく知っているわけではなく、イメージが先行している感は否めない」と話した。
大学ジャーナリストで「アホ大学のバカ学生」(光文社新書)の著者・石渡嶺司氏は、人気の理由を(1)取り扱う品目が多岐にわたり、仕事の幅が広そう(2)海外でも仕事ができそう(3)年収が高いという3つのイメージから来ると分析している。金融業界は堅実さでいまだ高い人気があるが、今後に不安を感じている学生も多い。メーカーは取り扱うものが個別の品目に限られ、仕事の幅が商社に比べて狭そうという理由から総合商社に遅れを取っているという。ただ、
「商社は本来食品や鉄鋼など個別の部門に配属されてしまえば、その後の移動はあまりないはず。結局扱う商品は限られてしまうので、イメージ先行という印象はぬぐえません」
とも指摘した。