例年より「お日柄」が悪かった?
結婚の減少は、結婚関連市場にも影を落としている。
矢野経済研究所が12年1月11日に発表した「ブライダル市場に関する調査結果」によると、11年ブライダル関連市場は前年比1.3%減の2兆7154億円で、3年連続の前年割れ。これは、ブライダル関連市場の中でも大きな割合を占める挙式披露宴披露パーティーの市場が縮小したことが大きい。その理由は、結婚の数の減少はもちろん、(1)震災による式場の営業休止(2)挙式キャンセルや延期(3)挙式や披露宴1件あたりの少人数化が進んだことが背景にあるとみられている。
もっとも大震災の後、結婚しようと思うようになったカップルが多かったのは事実かもしれない。「一度は機運が高まったが、結婚までには至らなかった」というわけだ。その理由はいろいろありそうだが、一つとして唱えられているのが、日柄の問題だ。10年度の土・日・祝日で仏滅でない日は101日あったのに対して、11年度は91日。事実上、式を挙げられる日が10日も減少しており、その分結婚の回数が減ったのではないか、というのだ。なお、12年度の土・日・祝日で仏滅でない日は87日。さらに状況は悪化する見通しだ。
前出の矢野経済研究所の調査によると、今後は披露宴市場が復調することや、円高で新婚旅行市場が拡大するとみられているが、12年のブライダル市場は前年比0.9%増の2兆7400億円にとどまるとみられている。進行する少子化などを踏まえると、中長期的な見通しは、さらに不透明なのが実情だ。