福島県双葉町の井戸川克隆町長は、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故の賠償をめぐる問題で、大熊町民の申し立てを受けて政府の原子力損害賠償紛争解決センターが示した和解案に対し、東京電力が慰謝料の増額などを拒否したことに抗議した。
避難先の埼玉県加須市内で、2012年1月29日に記者会見を開いた井戸川町長は、「東電は和解案を尊重するとしてきたのに、約束を守っていない」と指摘。「原発立地自治体として東電に全面協力してきた。東電の態度は遺憾で、町民の怒りは止めようがない」と話した。
双葉町の弁護団は慰謝料の増額などを求めて、2月下旬にも紛争解決センターに集団で仲介申し立てる方針で、東電が今回と同様の回答をする可能性があるとして、近く町と連盟で抗議文を送る。
東電は26日の紛争解決センターの和解案に対して、初めて住宅への損害賠償は認めたものの、慰謝料の増額は拒否するなどの回答をした。