関電、九電管内でも「90%」に近づく
電力需給にヒヤヒヤしているのは、東京電力だけではない。一般家庭や企業に10%の節電要請を実施している関西電力や、5%の節電を要請している九州電力などもそうだ。節電効果もあって、今のところ電力供給にはまだ余裕があるが、寒波の到来とともに管内の電力使用率は90%近くに上昇している。
関西電力は1月27日に今後の電力需給見通しを発表。電力使用率が、31日を除く平日4日間で90~92%となる見込みで、「週を通じてやや厳しめの需給状況」としている。
そもそも、「夏より難しい」との指摘もあった冬の節電対策。その理由として、需要のピークが朝夕の2回あることがあげられるが、具体的な節電対策も「決め手」がなく、電気機器のスイッチをこまめに消すことやLED電球などの省エネ照明への切り替えなどを徹底するしかない。
政府が「冬の節電」を要請してから約2か月。政府の「電力使用制限令」が出された11年夏に、東電管内で電力使用率が90%を超えたのは、節電効果もあってわずかに1回だった。
関電や九電管内と比べて、東電管内は「冬場の電力は心配ない」とされていた。その見通しの甘さと節電意識が薄れていったことも、電力使用量を上げているとみられる。