野中氏「盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ」
機密費問題に注目が集まる大きなきっかけとなった野中氏証言は、2010年4月、沖縄県での講演やTBS系ニュースのインタビューで出た。
自身が官房長官だったときの話を中心に、「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ」などと明かす一方、田原氏は機密費の受け取りを拒否したと説明した。
田原氏に対する機密費の話が、先の対談に出てくる(2000年の)1回だけだとすれば、長官退任の約半年後の出来事で、「長官時代の盆暮れ」の話とは無関係ということになる。
田原氏の「1000万円」証言を受け、インターネットのツイッターでは「1000万円!」「えぇぇ…」などと驚きの声があがっていた。
菅直人・前政権が使った内閣官房報償費(官房機密費)は、月あたり1億円を超え、自公政権時代の水準に戻った。鳩山由紀夫元首相のときは、月6000万円程度だった。
機密費の公開については、首相時代の鳩山氏が2010年3月の参院予算委で、「適当な年月を経た後、すべてが公開されるよう、準備に取りかかっている」と華々しく方針を打ち上げ、公開ルール策定の検討を始めたが、次の菅内閣を含め、尻つぼみに終わっている。
野田政権の藤村修・官房長官は2011年9月末の会見で、官房機密費について「将来的に相当の時間を経て公開されることはおかしいことではない。今後検討していく」と述べたが、どこまで公開に本気なのかはまだ見えてこない。