時代に合わせて新しいタイプ
実は「金次郎像」は様変わりしつつある。小田原市の金次郎の生家に隣接する「尊徳記念館」によると、
「戦前の像は立って読書というスタイルばかりでしたが、昭和も終わりごろになると、『薪を傍らに置いて、腰かけて本を読む金次郎』や、『草鞋を差し出す金次郎』など、さまざまな像ができました」
平成に入ると、「座る」「読書はしていない」など、新しいタイプの金次郎像が多く登場しているという。
像のタイプが増えた理由については、「ちょうど交通戦争があって問題になったからではないでしょうか」と説明。いまでも「本を読みながら歩く姿」はどうなのかという意見は聞くそうで、像のスタイルが変わっていくのも納得できるという。
どうやら金次郎は独自に自己変革を続けており、「金次郎=歩き読み」の常識は揺らぎつつあるようだ。
また「尊徳記念館」は、「像が減っているという認識もない」と話す。
「ことしに入って、銅像ではないですが、金次郎像をつくる小学校も3校あります。少なくとも小田原市内では、減っているとは思いません」
ニュースの話題となった大津市の教育委員会も、J-CASTの取材に対し「積極的な撤去はしていない」と、返答した。