民主党による公明党への「配慮」
「政策転換の早急な検討」を呼びかけているという池田名誉会長の提言が、具体的な期間を例示するのかどうかは不明だが、「早急に」の時間幅の解釈によっては、公明党の「段階的縮小」論の加速や、再稼働に対してさらに厳しい姿勢に転じる可能性も考えられる。
一方の民主党では、野田佳彦首相が2012年1月14日、再稼働について「ストレステストなどのプロセスの後に、どうしてもお願いしなければいけないときには、経済産業相なり私なりが行って、首長や住民の皆さまに説明する」と意欲を示している。
また、1月24日の施政方針演説では「(電力需要ひっ迫回避などと)中長期的に原子力への依存度を最大限に低減させる(略)方程式を解いていかなければならない」と発言している。必ずしも「原発依存低減」に力点があるわけではない、と聞こえなくもない。
民主党は、野田首相が力を入れる消費税増税などの与野党協議に公明党に入ってもらおうと、「年金改革像を示せ」とする公明党に配慮する姿勢を見せている。原発政策に関しても公明党へ配慮を見せる可能性もある。
池田名誉会長は、2010年半ばごろから「公の場に姿を見せていない」とされるが、「執筆活動を中心に活動はしている」(創価学会関係者)との説明もある。