ドコモまた通信障害で揺らぐ信頼 スマホ売れれば負荷高まるジレンマ

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10年に1度のネットワーク「世代交代」時期

   モバイル通信事情に詳しい武蔵野学院大学准教授の木暮祐一氏は、スマホの急増にドコモの設備が追い付いていない点を指摘する。木暮氏によると、ネットワークの耐用年数はおよそ10年で、ドコモが3G回線によるサービスを始めたのが2001年10月。そのため、ここ1年ぐらいでネットワークの「世代交代」を進めているが、同時期にスマホが爆発的に普及しているため設備が増強しきれず、想定外のトラブルにつながっているのではないかと見る。

   今回を含めてドコモの通信トラブルは、半年間で5回だ。2011年12月20日には、スマホ向けサービス「spモード」で不具合が発生した。関西を中心に、利用者がメールを送信したところ、受信した相手には実際の送信者ではない全く別人のアドレスが表示されていたのだ。

   「spモード」は、従来型携帯電話のサービス「iモード」をスマホでも使えるようにしており、メールアドレスをそのまま使えるのが強みだ。「iモード」の契約数は4473万7100件で、「spモード」の697万1400件をはるかに上回る。スマホへの移行を進めるとはいえ、「iモード」の利用者がいまだ大きな割合を占める現状では、従来型サービスも併用できる仕組みを構築せざるをえなかったのだろう。結果、「複雑なシステムになってしまい、無理が生じている」と木暮氏も考える。アプリについても、ドコモが説明したような「格安通話」だけでなく、SNSや地図アプリなど自動的に通信するものは多いという。

   2011年度のスマホの販売計画についてドコモは、850万台を掲げる。だが売れれば売れるほどデータ通信量も増えるジレンマを抱える。2010年12月には次世代高速通信「LTE」のサービスを始め、対応端末も発売したが、「3Gサービスの『FOMA』が普及するまで2、3年かかったように、LTEが定着するまで少し時間がかかるだろう」と木暮氏。通信障害の不安を抱えながらも、スマホの販促を控えればライバルに差をつけられるのは間違いなく、ドコモにとって悩ましい状態が続きそうだ。

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