建設費用の問題でも対立
これに対し馬淵澄夫元国交相は12月16日の自身のブログ・メルマガで、災害時の機能について、「救援活動に必要な道路機能には、遠方からの救援物資などを運搬する放射状の高速道路の通行確保が第一」とした上で、「都市内では、外環道のようにICによって入出路が限られてしまう高速道路の整備よりは、環八など、放射線状高速道路ICから避難所へアクセスする一般道路の沿道建築物の耐震強化、不燃化の方がより重要」と主張。特に外環道が大深度に建設されることについて「大震災発生時の救援活動に過度の期待を寄せることは避けるべきだ」と強調する。
猪瀬、馬淵両氏は建設費用問題でも火花を散らす。猪瀬氏が、高速道路会社が採算性の範囲内で建設費を負担し、採算性を超える分は国と地方(東京都)が負担する「合併施行」について、自身が委員を務めた道路公団民営化委員会の意見書(2002年12月6日)で提案されたものだと紹介し、「料金収入と公費の資金を合わせることで、短期間で一気に事業をしあげることができる」と自賛。馬淵氏は、景気の悪化などで将来の料金収入が計画を下回るリスクや将来の金利上昇リスクを指摘し、「各高速会社は、今後、借入金による新たな高速道路建設を行わないことを基本とすべきであり、真に必要な高速道路整備は、厳格な事業評価及び国会審議を経た後、国が責任をもって整備すべきである」と主張している。