橋下氏の狙いは首相公選制?
「200議席なんて夢物語」と切り捨て、「単なる脅し」とみる自民党関係者もいる。衆院の自民・無所属会派は現在、120議席だ。衆院選に立候補する際には、候補1人にかかる選挙資金は最低でも1000万円とも2000万円とも言われる。維新の会にそこまでの資金力はまだあるまい、というわけだ。
「脅しが早速、効いた」との声も出ている。橋下市長と1月24日に会談した民主党の前原誠司・政調会長は、大阪都構想に慎重な考えを示していた姿勢を一転し、「説明を受けると(民主党の方向と)一緒だと思った」と政策協議を進める考えを示した。とは言え、民主党内には橋下市長との連携に慎重な声が根強くある。
一方、「国政進出は当初からの狙いだ」との指摘もある。現在、大阪都構想を実現する関連法案をみんなの党などが提出する構えで、橋下市長の説明通りなら法案の行く末を見極めた上での国政進出議論になるはずだが、維新の会幹部の中からは「法案の成否にかかわらず(次期衆院選に)擁立する」(21日、読売新聞など)との声も出ている。
幹部発言通りなら、「『国への協力要請がダメなら…』は建前で、国政進出は既定路線」と受け取れる。
橋下市長個人の国政進出については、本人も周囲も否定している。「否定をそのまま信じることはできない」という懐疑論や、「橋下氏の狙いは、首相公選制導入後の首相への立候補。国会議員には興味はない」との見立てなどが渦巻いている。