大リーグ「レンジャーズ」への移籍が決まったダルビッシュ有投手(25)が2012年1月24日に札幌ドームでファンを招いての記者会見を行ったが、NHKの記者が緊張しすぎて舞い上がったのか、質問がしどろもどろになり球場が大爆笑に包まれた。
ダルビッシュ投手も混乱し、質問の意味が「全然わからないっす」というと、記者も「自分でも何を言ってるのかわからない」と返すトンンデモ展開に。しかしこの後、今まで曖昧だったダルビッシュ投手のメジャー移籍への思いが明かになる。ネットではこのNHKの記者の功績だ、などと評価する人も現れている。
メジャー行こうと考えたきっかけは何だったのか
ダルビッシュ投手はかつて「メジャー行くなら野球を辞める」などと発言し物議をかもした。人気選手が続々とメジャー行きを発表しているが、こんなことが続いたら日本の野球ファン、特に子供たちが楽しめなくなる、という思いからだった。しかし、2011年12月8日にダルビッシュ投手はメジャー行きを「ツイッター」で発表した。ファンからメジャー行きは無いと言ったはず、などと質問されると、確かに発言はしたが
「時が経つにつれて自分の立場、周りの環境も変わります」
などと返答していた。
1月24日に行われた札幌ドームでの会見でもフジテレビから、日本の野球に拘っていたはずなのに、メジャー行こうと考えたきっかけは何だったのか、との質問が出た。ダルビッシュ投手は急に不機嫌な表情になり、
「メジャーに行きたいと言うふうに気持ちが変わったとは言っていない。行かなきゃいけないかな?という、そういう形です」
と答えた。その後、他のテレビ局から日本での試合で一番印象に残っているシーンは何か、や、メジャーでの第一球はどんなボールを投げるのか、といった質問が出た。
「プロ意識が足りない!」の一方で記者を評価する書き込みも
そして問題のNHK男性記者の質問になった。
「あ、すみません、NHKの、ウメモト、と言いますが、その、大リーグ挑戦を決めた理由なんですけれども、ダルビッシュ・・ダルビッシュさん」
と、しどろもどろな質問を始めた。少し話すたびに「あの~」「その~」が続き、
「自分の中の気持ちと、その、周りから求められる気持ちと、やっぱり、周りから求められる気持ちが強かったんですかね?」
と質問を終えた。球場からは笑い声と、記者に対しする「ガンバレー!!」という声援も出た。ダルビッシュ投手も次第に困った表情になり、
「えっと、え~と、も一回、も一回いいですか?もうちょっとまとめて。全然わからなかったっす」
すると記者が、
「自分でも何を言っているのか、あれですけど…」
といい、球場は大爆笑に包まれた。
どうやらNHK記者が質問したかったのはフジテレビの質問の続きで、メジャーに移籍するのは自分自身の心境の変化なのか、それとも、周りに行くようにと要求されたからなのか「具体的理由を教えてほしい」とうことだった。
ダルビッシュ投手はNHK記者とのやり取りでとても和んだ表情になっていた。そして移籍を決めた「真相」を語り始めた。
自分は試合で常に打者との勝負に拘ってきたが、今の日本の球界では自分を倒してやろうと意気込む打者がいなくなっている。そのため自分のモチベーションを保つのが難しい、というのだ。
「海外では日本人選手の評価が凄く低く見られている。アメリカでも凄く低くなってしまって、日本の野球が下に見られるのは凄く嫌だった。それも重なった」
すると球場は大きな拍手と歓声に包まれた。
ネットでは今回の会見のNHK記者とのやり取りを見て、「ダルビッシュも笑うんだな」などと話題になった。NHK記者に対しては「プロ意識が足りない!」「ヘタレ記者は出すな!」などといった批判は多いのだが、
「喋ってて自分でも意味が分からなくなるって俺もあるわ」
といった擁護する意見や、
「結果的に一番知りたかったことを引き出したということだ」
と記者を評価する書き込みも掲示板やブログに出ている。