国の手当は、畳の張り替えなど修繕費目的だった
国家公務員については、総務省が2009年12月、人事院の勧告に基づいて「持ち家手当」を廃止している。
手当の目的はもともと、畳の張り替えなど住宅を維持するための修繕費を補助することにあった。しかし、人事院が2003年に全国調査をしたところ、この目的を挙げる民間企業が19.4%と過半数にも達しておらず、存在意義が薄れたとの判断から廃止を勧告していた。
この調査によると、家族の生活費を補助することを手当の理由に挙げた企業が最も多く、複数回答の60.5%を占めた。次いで、賃貸住宅手当との均衡を考慮するとしたのが33.4%だった。
この時点では、民間企業のうち46.1%が持ち家手当を支給していると答えている。しかし、人事院の給与第3課では、公務員については、生活費補助としてはすでに扶養手当があり、持ち家は財産になるので賃貸との均衡は考慮する必要はないと指摘する。つまり、持ち家手当の存在意義は、公務員の場合は、修繕費補助ぐらいしか見当たらないということだ。
朝日の記事によると、総務省では、各自治体に持ち家手当の見直しを求めており、多くの自治体が廃止に踏み切っている。まだ大阪市、さいたま市のほかに東京都や横浜、福岡、名古屋などの各市が支給しているというが、手当廃止は時代の必然的な流れのようだ。