「ほかの街にはない、独特の雰囲気」
福岡市の屋台の減少傾向について、市民はどうみているのだろうか。市がまとめたアンケート(2011年9月実施)によると、「今すぐ減少を食い止める必要がある」8.6%、「今すぐには食い止めなくてもよいが、将来的に消滅することは望ましくない」57.2%だ。「存続派」が多数といって良さそうだ。
一方、「将来的に消滅してもよい」は12.6%だった。
福岡市への観光客に対するアンケート(同)もある。屋台の「今後の存続」については、「残してほしい」72.0%、「廃止してよい」4.2%、「どちらでもよい」20.9%だった。こちらも「存続派」が多い。
ネット上では、「一代限り」規制見直しの方向性について、歓迎する声もある一方、「汚いし、臭いし、通行の邪魔」といった「見直し反対論」も少なからず並んでいる。
福岡市の第3者委員会は、3月をめどに意見をまとめ、高島宗一郎市長に提言する予定だ。
総務省から福岡市の通称「屋台課長」として出向中の臼井智彦企画課長(27)に話を聞いた。茨城県出身の臼井課長は、赴任後に「福岡屋台デビュー」を果たしたのだそうだ。
「(福岡の屋台街には)ほかの街にはない、独特の雰囲気があります。膝をつき合わせて飲食できるのは屋台ならではです」
と魅力を語る一方、
「(屋台が)道路を塞いでいる、などの課題がたくさん指摘されてもおり、(第3者委の)提言を受けた上で、問題解決と『屋台の良いところを生かしていく道』の両立を模索したい」
と話した。