「フォルクスワーゲン(VW)の強さや現代自動車の勢いは当然ベンチマーク。モジュール化や部品の共通化など、見習うべきところは貪欲に学んでいきたい」
日産自動車の志賀俊之COO(日本自動車工業会会長)は2012年1月18日、日本外国特派員協会(FCCJ)で、国際自動車業界の競争相手についての私の質問にこう答えた。日産自動車は中国など新興国市場の販売好調などで日本の大手3社の中では最も世界販売台数を伸ばしているが、競争相手に対して抜かりのないところも披露した。
同日の会見は、もっぱら「日本のモノ造りの強さ」を外国メディアにアピールするところに重点を置いた。「今回の円高は1985年1995年に続いて3度目の大きいもので、根こそぎの空洞化が起きている。しかし日本のモノ造りは競争力の源泉だ。日本をマザー工場とし、世界にイノベーションを発揮できる。1ドル=80円でも勝つ努力をする」と強調した。2012年の世界販売は475万台―480万台を見込み、「電気自動車でもグローバルリーダーになる」と強気だった。